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すだちに始まり、すだちに終わる-あおとくるのみかん月報9月-

みかん栽培をしている段々畑は、かつては田んぼでした。その名残か、9月に入ると彼岸花が続々と生えてきます。彼岸花が咲き始めると、秋がやってきたなあと感じると共に、すだちを、すだちを採り終えなければ…!!!!と気が急いてきます。

こうやって収穫して行けば早く採り終えられるという裏技なんかなくて、ひたすら手作業で地道にすだちの木、1本1本に実っているすだちを収穫していきます。ただ不思議なことに、収穫4日目くらいからは段違いに採るスピードが速くなります。身体が縦横無尽に樹の下や中に入れるようになるんです。そう、これは慣れ。床張りでも同じことが言えるのですが、慣れって大事ね。

9月はずっとすだちを収穫していたのですが、9月上旬は白滝製麺さんの半田そうめんと山のすだちセット第2弾を発送しました。今年はすだちの木を感じてもらえたらと、枝と葉っぱ付きのすだちを彩りに入れました。おそらく、大半の方がすだちの枝と葉っぱを実際に見て、それを手に取ることなんて初めてだと思うので、「こんな風に実がついてて、葉っぱは硬いんだ!」って、楽しんでもらえていたら嬉しいです。

枝によっては、小さいトゲがついているのを見つけた方もいたかな?

すだちの枝には小さいトゲから、凶悪な太いトゲまであって、収穫していると、いつの間にか身体のどこかしらにトゲのひっかき傷が残っています。お風呂に入るとちょっと染みるから「あ、こんなところも引っ掻いてたんだ!」って気付くんです。着ている服はすだちの収穫を終えた時にはビリビリに。どちらも名誉の負傷です。

今年は白滝製麺さんの半田そうめんのおかげで、昨年以上にたくさんの方に山のすだちを楽しんでいただきました。私たちのすだちをきっかけに半田そうめんを食して、その美味しさを知ってくださった方も、白滝製麺さんの半田そうめんをきっかけに、山のすだちを毎食のお供にしてくださった方も、どちらも美味しく食べていただけたことが作り手として幸せなことです。ありがとうございました!(また来年も是非よろしくお願い致します。どうぞ夏の定番にしてください笑)

さて、今年も昨年に引き続き11月の文化の日に東京都荒川区の19銭湯ですだち湯♨が開催され、あおとくるのすだちを使ってもらいます。すだちの総量は何と約200kg!すだちに換算すると約8000玉が湯船に浮かびます。11月に使用するので、すだちは冷蔵して、来るべき日まで待機してもらいます。冷蔵するために適しているのが、9月中旬までに収穫したもの。冷蔵中に虫が実の中に入っている等でダメになっちゃうものもあるので、多めに収穫して、すだち専用の冷蔵庫に貯蔵します。我が家にはないので、近所のみかん農家仲間に毎年間借りさせてもらってます。ああ、ありがたや…👏

冷蔵貯蔵するすだちは、専用の袋に入れていきます。袋は専用のものがJA等で販売されていて、0.026mmのポリエチレン袋に1.5~2kgづつ入れて密封して低温で貯蔵します。穴が空いちゃうと、そこから熟成が一気に進んで黄色くなってしまうので、袋に穴が開かないように注意しながら入れていきます。そうして、袋詰めしたすだちたちが冷蔵され、11月のお風呂に浮かびます♨楽しみですね~。すだち湯はお風呂から出た後も身体のぽかぽかが続くので、肌寒くなってきた11月にぴったりですね♪

9月はすだちの収穫だけ、ではなく、並行してみかんの作業もあるので、大忙し!みかんの収穫はみかんだけに集中していられるのですが、すだちの時はそうはいかないんですね。8月の長雨で、畑はすっかり草ボーボーに。草が生えていると虫の害が多くなってしまうので、しっかり草を刈っていきます。

みかん農家になって6年目。草刈りの容量もだいたい掴めてきましたが、長雨で一気に伸びた草を刈り取るのは体力がいります。特に夏草は強いのか、刈りにくい。そこで今年学んだのは、草刈り機の刃は消耗品なので、今まで一番安い刃を購入して使っていたのですが、切れ味の良いワンランク上の刃を買って使う方が、刈る速度が良い!やっぱりね、道具は良いものにした方がいいということですな。うむ、これからはいい刃を買おう。

草刈りの後は、防除。今年はカメムシの飛来が多く、カメムシがみかんをちゅうちゅう吸うと、みかんが落ちちゃったりするので、カメムシに効く殺虫剤と、そばかすみかんが増えないように殺菌剤を混合した農薬を散布。みかんも写真で確認できるほど大きくなってきました。手に持ってみると、だいぶ大きくなってきたのが分かる☟

園地で作業していると、今年はチラホラ見つかる裂果してしまったみかん☟長雨で、果皮が十分に生育する前に果肉が急激に成長すると、こうして果皮が張り裂けてしまうんです。

我が家は晩生(おくて)みかんという遅い時期に収穫するみかんなので、あまり被害はないように感じますが、極早生・早生みかんはもっと多いんだろうな、と思うと同じみかん農家として気持ちが落ち込みます。そんな苦労した中、収穫を迎えた早生みかんは今ちょうど出荷中なので、皆さん是非食べてくださいね。そして、みかんシーズン到来を迎えましょう!我が家の熟成みかんでみかんシーズン締めくくる、という計画でね、いきましょうか(笑)

我が家のみかんはまだまだ青いので、11月の収穫まで本当にオレンジ色に色付くのかな?と毎年不安になります。今年は特に8月の長雨の影響が味にどこまで影響するのか、昨年以上に不安です。日照が不足すると、糖度も酸度も上がらず、水っぽいみかんになると言われています。毎年楽しみにしてくださっている皆さんに美味しいみかんを届けたい!その想いで、出来得る限りのことをしている日々です。

みかんはもちろん、露地で栽培されている果実はその年の天候によって味が変わります。毎年同じ味を届けるって、かなり無理な話で、それでも安定した品質の果実を届けられるよう私たち農家は試行錯誤し、努力し続けています。毎年同じような作業をしているように見えますが、毎年何かしら違うし、改善し続けています。

農業は果てしない旅です!でも楽しみにしてくれている皆さんがいる、食べてくれる皆さんがいるからこそ、苦労しながらも頑張れるし、栽培も楽しめる。湿っぽくなってしまいましたが、皆さんいつも食べてくれてありがとうってことです。

さ、10月はいよいよ11月のみかん収穫にむけての準備ですよー!それではまた、10月の月報でお会いしましょう🍊

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みお
1987年埼玉県生まれ。早稲田大学で映画を専攻。卒業後は、IT企業の企画営業を経て、某芸能事務所で広報宣伝を担当。現在は夫と共に農作業、古民家の改修を行いながら、ゲストハウスのロゴ制作などデザイン面を担当。無類の猫好き。愛猫あおとくるは目に入れても痛くないほど溺愛。若干あおに煙たがられている。旅好き。あおとくるオーナー代理、主にあおとくるのお世話係。