2022年開幕。我々はみかんの収穫も貯蔵も無事年内に終わり、ホッと一息ついていた。いよいよ収穫したみかんを販売するぞー!と気合を入れるために、初詣にも行った。
今年は私が前厄のため、厄除けも兼ね、厄に定評のある薬王寺に行った。海辺の町にあるお寺で、遍路寺でもある。港には航海安全や豊漁を願う大漁旗がはためいていた。快晴に映える大漁旗。なんだかこちらも良い気分だ。
そう。例え、おみくじでダブル凶を引いていたとて、だ。
そう、この時、我々はこれから待ち受ける苦難を知る由もない。ほんとに凶だったじゃん、ってことを…。
1月上旬
三が日が明けたら、今年実るみかんたちのために、園地内で風通しの妨げになっている雑木を切り(表情は希望に満ち溢れている)
少し元気がない樹々に、栄養のシャワーを浴びせ(もちろん、このあとの苦難は全く予想していない)
1月中旬から発送予定のみかん箱に入れるあおとくる通信(みかん通信)をせっせと作り(この後の苦労は全く予期していない)
虹を見つけて「幸先が良い」とごきげんになり(この後、苦労するのに…)
夏に茶摘みに行った、髙木晩茶農園さんから、茶葉を受け取り、いよいよだなあとワクワクし(この後…以下略)
着々と発送の準備を進めていた(…この後…以下略)
1月中旬
そうして、いよいよみかんの発送を迎えた1月中旬。発送直前に蔵からみかんを出して、午前中はみかんを選別。午後に郵便局で発送。オレンジ色でぷりぷり、瑞々しいみかんたち。
今年は害虫に襲われまくって、ダニの影響で着色不良のみかんも多く、選り分けていく中で発送できるみかんの量が少ないなー、とは感じていました。(でもまあ、まだ1月前半だし、これからまだ着色していって、食味にもあまり被害がないと言うし、まあ何とかなるだろうくらいのあまい考えで、実際ほとんど色がつかなかったorz)
そうして、せっせと日々発送作業を進めていったのだ・が!途中で、なんか酸味が強い…?と感じるゾーンが現れ、どのゾーンを食べても、まだ酸味がある…。出せん…、ってなって、発送予定日よりお待たせすることに(これは私たちではどうしようもなかったけど、酸味が強すぎず甘みもしっかりとある、このバランスが良いという状態で出したいから妥協できなかった)
メールマガジンやあおとくる各種SNSでお知らせとお詫びをポストさせていただきました。(メールマガジンはじめて使ったけど、分かりやすくお知らせが出来て良いですね)
そして、再び出せる状況となり、気合い入れて一気に作業を再開していたところ…おかしい。選別せども、発送できる実が全然できねえ。どんどん溜まる、搾汁工場行きのみかん(明らかに昨年より倍の倍以上に多いし)、web販売では発送できないようなみかんばかりが溜まっていく…これには絶望しました。「あ、これ、2月まで販売できない。むしろ、いま注文もらっている分までで止めないと危険だ」と。そこで、例年であれば2月の中下旬あたりまで受け付けていた注文を、泣く泣く1月下旬に締め切りました。でも本当、ここで止めておいて良かった。止めてなかったら、注文もらったのにないという状況になりそうでした。悔しいけれど判断は正しかった。
上記の旨を各種SNSでポストしつつ、ショップもSOLD OUTの表示に変更したところ、「今年も楽しみにしていたのに買い損ねた!」「おかわりできなかった!」「もうないんですか!?」と方々から熟成みかん販売終了を惜しむご連絡をいただき、大変心苦しかったです。
こちらもこちらで、1年かけて、ようやく皆さんに熟成みかんをお届けできるぞー!と意気込んでいたところで、送れるみかんがなくなってしまった、というのは本当にショックでした。今年はみかんの量が昨年より断然多いのに、送ることができないというのは、本ッ当に歯がゆかったです。
webで販売することができなかったみかんたちは、ある程度見た目関係なく(もちろんちゃんと選別して)販売できるルートが仲卸さんの手腕で開拓されていて、市場の方で売買してもらえるので、2月以降は市場出荷一本に集中して取り組むこととなりました。
2月上旬~3月下旬
市場出荷をするためには、家で等級(見た目の良し悪し)を分け、サイズを分け、10kg毎に箱へ箱詰めしたものを、運送会社さんに送ってもらい、それを受け取った仲卸さんが全国津々浦々へと販売してくれます。市場への出荷はある程度まとまった量を確保する必要があり、だいたい1回で、10kgのみかんが入った箱を100箱以上~160箱程度出荷します。この量のみかんを毎日取り扱ってくれる仲卸さんは本当にすごい…。こうして全国各地のスーパーにみかんが並んでいるんですよね。それを運んでいる物流もすごい!
みかんが運送会社さんへ渡るまで
毎年まず箱を組み立てることから始まります。一箱一箱、写真でも見えるでしょう。底面に2つ太いホチキスを打っていきます。(この現代社会にとってもアナログ!)1回に150箱打って出荷日の前日に用意していくので夜な夜な箱を打ち、居間は段ボールに占領されます。
翌朝に家の隣にある選果場に移動。昨夜用意していた段ボールを設置、貯蔵庫から、その日に出荷するみかんを出してセッティング終了!手前にある、これまたアナログな秤で10kgみかんがちゃんと入ってるか確認して、封をしていきます。(昨年デジタル秤を投入したんだけど、計量にブレがあって、結局アナログに戻った…アナログ…)
出荷する前々日~前日にかけて貯蔵庫にあるみかんを選別しながら青いコンテナや黄色いコンテナに入れるんだけど、この工程で、乾燥しすぎて果皮がしわしわになりすぎてしまったみかんや、病気や虫にやられまくったみかん等、出荷できないものはポンジュース等の加工品の原料として回収してもらうのですが、この原料の回収が締め切られてしまった場合は自分とこの畑や山等に廃棄することになります。今年はこの量が多すぎて、とっても落ち込みました。朝から仕込んだとっておきの夕飯のごちそうを白飯以外、廃棄するって感じかな。いや、センター試験のマークシートを3分の1以降、全部ずらして書いちゃったって感じかな。この落ち込みは表現するのが難しい…。もちろん売り上げに直結するので、金銭的なマイナスもとても、とてもあります。(おみくじの通り、本当に凶だったと実感)
こうして貯蔵庫から選別されながら出されたみかんを選果機にかけて(ここは機械だけど、構造は実にシンプル…)各サイズ毎に段ボールに別けていきます。
段ボールがいっぱいになったら、機械から外して、秤で量って、封をして完成!これを出荷1回につき、100箱以上、150箱程度つくっていきます。だいたい、この機会を使って150箱つくるのに朝8時頃からやって、お昼休憩をはさみ、15時くらいまでかかります。その後、これまたアナログな方法で車に積んでいって、片道20分の運送会社まで持っていきます。これを2月から、3月末まで週3ペースで。7日中5日が準備。
1月はweb販売で皆さんの元へみかんをお届けし、2,3月は市場に出荷し、こうして2021年度の熟成みかんが終わりました。
2021年度の熟成みかんを終えて
2021年度の熟成みかんは栽培中も季節外れの長雨や虫の猛攻と苦労し、その影響が出荷でもありました。非常に苦しい結果でした。例年と同じように、あおとくるの熟成みかんを楽しみにしてくださっている皆さんにみかんを行き渡らせることができなかったし、あおとくるの全体的な経営にも大打撃でした。この結果を受け止め、2022年度は昨年度以上に対策はできるはずだし、チームあおとくる一同、力を合わせて引き続き励んでいく所存です!どうぞ引き続き皆さん、応援を宜しくお願いいたします!
また、熟成みかんを楽しんでくださった皆さん、ありがとうございました!また来年も美味しい熟成みかんをお届けできるよう息つく間もなく次年度の作業をしております!引き続き、どうぞご贔屓に!
そして今年、熟成みかんを食べられなかった皆さん、お届けできず心苦しい気持ちでいっぱいです。次年度はお届けができますよう、受注期間等、工夫していきます!どうぞ宜しくお願い申し上げます。
昨年完成した熟成みかんを使ったドライみかんシリーズを出荷終了と同時に販売をスタートしました。熟成みかんの青果はまた来年ですが、そのままドライにして、熟成みかんの酸味と甘みがギュッと詰まったドライフルーツに仕上げました。春の行楽のお供に是非お試しください☺
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